大会長挨拶

Greetings from Chair

ご挨拶

一般社団法人 日本老年歯科医学会 第37回学術大会 

大会長 池邉 一典

大阪大学大学院歯学研究科 有床義歯補綴学・高齢者歯科学講座 教授

 このたび、日本老年歯科医学会第37回学術大会の大会長を拝命いたしました大阪大学の池邉一典でございます。本学術大会は2026年6月12日(金)から14日(日)までの3日間、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)にて開催します。2025年には大阪・関西万博が開催され、世界中から人・情報・技術が集まりました。その熱気と交流の余韻が残るこのタイミングで、本学術大会を開催できることは非常に意義深いことと感じております。万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」が示すように、高齢者の口腔健康を支える老年歯科医療の未来もまた、いのちと幸福を輝かせるものでなければなりません。
 本大会のテーマは、「たべるよろこび つづくしあわせ」といたしました。いくつになっても「自分の口でおいしく食べる」ことは、皆の願いであり、その実現はまさに歯科医療が果たすべき大きな使命だと考えます。「食べる」という営みは、単に栄養を摂るだけでなく、心の豊かさや人とのつながり、日々の楽しみや喜びを支えるものでもあります。本テーマには、そうした「食べる」ことの多面的な価値を改めて見つめ直し、長く続く幸せにつなげたいという願いを込めました。
 本大会では、European College of Gerodontology(ECG)から著名な先生方をお迎えし、国際的なJoint Sessionを併催いたします。金曜日のECGセッションに始まり、土・日曜日には日本老年歯科医学会の多彩なプログラムを展開します。特に土曜日には、本学会セッションに加え、ECGセッションも開催予定で、5つの会場を用いた活発なプログラム展開を予定しております。また、土曜日の夜には、リーガロイヤルホテル大阪にて会員懇親会も開催いたします。学術的な交流だけでなく、久々の再会や新たな出会いの場としてもお楽しみいただければ幸いです。
 大阪は、古くから「天下の台所」として栄え、たこ焼きやお好み焼きに象徴される庶民の味から、繊細な割烹料理まで、幅広く奥深い食文化が根付いた街です。また、ユーモアと温かい人情にあふれた土地柄も、大阪の魅力のひとつです。どうぞ本大会を通して、学術的な刺激とともに、この地ならではの「食」と「人のぬくもり」にも触れていただければと思います。
 多くの皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております。